Beeの観劇記録✿

ミュージカル大好きなBeeの観劇記録

『オペラ座の怪人』@イタリア・トリエステ の観劇・感想①(2023年7月12日)

こんにちは、Beeです!

ロンドンから飛行機で約3時間、イタリアのトリエステで上演された『オペラ座の怪人』を観劇して参りました!

念願のラミンファントム!!!

「いつかラミンさんのファントムを生で全編観る」という、自分がどんなに努力してもどうしようもない夢を持っていた私。

ついにそれを叶えてしまいました!!!

もう~本当に感無量!!!

北イタリアのトリエステにある劇場Politeama Rossetti

大好きで特別な思い入れのある作品とキャスト。(共感していただけますよね?)

もはや、まとめたり考察したりする心の余裕がないので、この目で見たものをそのまま、率直な感想と共に雑然と記録しておきたいと思います!

長くなるので前後編に分けて書きますね。

演出のネタバレありです!

※『オペラ座の怪人』好きで何度も観てるよ!な方向けになると思われます…

 

〈目次〉

 

 

【開演前】

・劇場はこんな感じ。鏡のような幕?にタイトル

・舞台脇上下両側にイタリア語字幕のモニターあり

・あれ、舞台狭いぞ!

・開演直前の注意喚起アナウンスはラミントムの声(『Unmasked』のALWみたいな!)

 「My Show」で録画録音をすると、「a disaster, beyond your imagination」が起こるそうです(笑)

・そして鏡が割れる爆音とともに開演!あまりの音の大きさに観客大爆笑

 

【オープニング、オークション】

 
 
 
 
 
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・オークション参加者は客席に背を向ける形で着席。ラウルも車椅子ではなく普通に中央上手寄りに座る。ブラッドリーラウルはめちゃめちゃめちゃおじいちゃん!(笑)

・オークショナーも舞台上に

ハンニバルのポスターデザインは文字のみ。悪魔のロベールの頭蓋骨もひとつだけ

・シャンデリアは舞台後方にてそのまま舞台上部に上昇

・盆になった舞台の上でアーチ型のセットが回転

 タイトルロールに合わせて、時を遡るように役者が逆再生の動き

 おお、アーチ型セットのサイドに付けられた鉄階段(WSS風…)でブケーが首を吊る真似。…ん?

 ここで少し不安がよぎる。演出大丈夫かな…?

 

ハンニバル

イタリア人オペラ歌手Anna Corvinoさん演じるカルロッタ、本場って感じですね。生首がリアル。

驚いたのはバレエの振付。うーん!!だいぶ簡素だったんですよね…!!!

ほぼトウで立たない振付だし、立っても割とみんなつま先が浮いていてグラグラ…。

ちょっとね、公共の場では滅多にこういうこと言わないようにしていますが、

ひどかったです…。

奴隷頭の男性筆頭に、これはクラシックバレエ出身者じゃないな…と確信。

残念ですが、舞台の狭さとアンサンブルの少なさを踏まえてグッと我慢。シンガーの役割も大きく担っているのでしょう!きっと!

そもそもバレリーナたちはクリス・メグ含めてたった6人!これもきっと舞台狭いからですかね。

 
 
 
 
 
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アンサンブルは上手から順々に登場するスタイル。人数の割に歌の圧はかなり強いです!

うん!きっとイタリア版は歌の方に力を入れているのだ!と自分を納得させました(笑)

そしていい意味で驚いたのはピアンジ役で同じくイタリア人のGian Luca Pasoliniさん!

「うわー!これがオペラのテノール歌手か!!」と思わず口が開きました!

なんかね、歌い方が違うんですよね!根本的に!高音だけど声が下から空気に混ざって広がっていく感じ。(語彙力)

象は無しでお神輿のような簡易版でした。

アールさんのアンドレ、くしゃくしゃの髪と穏やかな振る舞い。改めて凄いキャストだわ~!

 

【Think of Me】

クリスのAmelia Miloさん。すごく可愛いです!

 
 
 
 
 
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高音は綺麗!

クリスティーヌというよりはディズニープリンセス寄りのポップス強めな歌い方でしたね。

 

【Angel of Music、Littele Lotte】

回転式アーチの片側、外向きに鏡がついていて、クリスの楽屋になる仕組みです。

メグ役のZoe Nochiさん、勢いと声量のある歌い方が好奇心旺盛なメグらしくてとてもよかった。

クリスの話はろくに聞かずに、自分が椅子に座って鏡台の小物を落ち着きなくいじりまくる演出。

これリアルかも、と思いました。だって、メグはきっとプリマの楽屋入ったの初めてですよね。

実はクリスの心配なんかより「いっちょかみ」なだけなんじゃ?という、原作寄りなメグだった印象ですね。個人的にはこのタイプのメグもあり。

そしてブラッドリーラウルは、よく日に焼けた肌と長髪ポニーテールというラウル史上最強にワイルドないで立ちで、支配人たちを伴わず、上手から音もなく唐突に登場。(ラウルサイコパス説①)

見た目と裏腹に、台詞回しがまさに流れるように速く滑らかで、少しびっくり!(ラウルサイコパス説②)

すんごく心地よくて、演技が上手いんだな~という感じ!

ここまで全体的に芝居がかった演出で決めてきている感じがしたので、もはやすこしラウルが浮くくらいのスマートな演技でした!

ちなみにブラッドリーラウルはクリス父が亡くなっていることはご存じの様子。

 

そして~!

ミラーからラミントムの声!!!

これはね、もうね、皆さんご存じの通りです!!(笑)

非常に怒っていました!(笑)

 
 
 
 
 
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来るぞ来るぞ、と更に緊張高める私でしたが、姿は現さないのに「エンジェル!」と美声だけを響かせるラウルに若干気を取られる。

さっき楽屋ドア完全無視で颯爽と乱入してきたくせにそこは登場しないんかい!

今は一体何に阻まれているの?!(ラウルサイコパス説③

 

【Phantom of the Opera

上方から吊り下げられた道や、キャンドルの演出はなし。

最初に舞台前方オケピに降りて行った二人は本物だと思ったけど、直後に上手WSS風鉄格子から降りてきた二人がそのまま船に乗ったので混乱(笑)

こういう部分を解明するために、本当は複数回観劇したかったですね。

ラミントムはもちろんすごかったのですが(語彙力)、楽曲冒頭の録音から音質変わらずそのままラストまで行ったので、音が全体的にバリバリしてたのが残念。(まさか最後まで録音じゃないよね…?)

ラミントムは本編でも「Stronger」の「ger」を上げて歌ってました!

(ラミンさん名物stronger上げはこちら⇒ https://www.youtube.com/watch?v=8fKKiaSLLEY )

たどり着いた地下室。

舞台中央にオルガン、上手にベッド。(ベッド?!)があり、結構なスペースを占めていました。下手の椅子や鏡はなし。

バックにも赤っぽい色味で湖の奥の船着き場や階段の絵が描かれていて、四季版やWE版(セットはほぼ同じ)とはだいぶ異なる様相。

「Sing」の言い方、叫んだり囁いたり、自由自在に声音を操るラミントムに感動しつつも、最後は鍵盤を叩いて、観客に背中を向けた状態で「Sing for meeeee!」なので若干もったいない感じ。

 

【Music of the Night】

もちろんね~言わずもがなよかったです。

歌い出し、オルガンの椅子に腰かけ、客席に背を向けたままなのがニクかったですね!

 
 
 
 
 
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ラミントムのMotNは、25周年映像やコンサートでの映像と変わらず、Seductiveという形容が良く似合うな~と改めて実感。

まさに「Point of No Return」の歌詞にも出てくる、「sweet seduction」という感じ。

ただラミンさん、コンサート時同様、好き勝手な緩急・抑揚で自由に歌うので若干オケがついていけてない印象(笑)

オケ自体はとっても良かったと思うんですけどね!すべての音がすごく綺麗でCDとの差がない「美!」な音でした。

オケも俳優も最高なのでそこが少し残念。ラミンさんのMotNの、歌のうまさだけじゃない魔力、マックスには感じきれなかったかな…。

演出としては、クリスが気絶する最後の瞬間までファントムが全く彼女に触れないのが新鮮でしたね!(触りそうで触らない紳士ファントム、アールさんとはまた違う)

ラミントムがseductiveなだけに、それを「25thの時とは違う、年齢を重ねたラミントム」ととらえるか、ミスマッチと捉えるか…。

ただ全体として、クリスが虚空のstrange new worldを見てうるうるしてる感じ、地下室のセット狭いし中央のオルガンとかベッドとか、生活感のあるモノが多くて、神秘性はあまり感じなかった。そんな世界が見えるとは思えなかったかな。

先程も書きましたが、赤っぽい背景も舞台を狭く見せている気がして、とにかく原作っぽい。エグみ、生々しさがありましたね。

そのせいかファントム(ラミントム)も(25thのような)「なんだこの生き物は!」感は薄め。うん、リアルで生々しい寄りの『オペラ座の怪人』。

 

人形はなし。気絶も25th版よりさらに前触れなく唐突で、むしろクリスが倒れそうになる前に、ファントムが先にいきなりお姫様だっこしたら倒れた感じ。

その時のファントムの、ふっと嬉しそうな顔はしっかり見た。見たよ。

 

【I Remember… ~Stranger Than You Dreamt It】

初めてのファントムを見る時、私が楽しみにしている場面(笑)

ベッドに寝かされて、起き上がったクリス。

ファントムは夢中で作曲活動に勤しんではおらず、そんなクリスに気づいていました。

「Who is that shape in the shadow~♪」と歌う間も、ファントムは自分が見られているのに気づいていて、座ったままオロオロきょどきょど。リアル。原作っぽい。

そこから豹変。

そして怒鳴り散らした後には、再び椅子に腰かけて「クックックッ」と笑うファントム。そして歌うにつれて若干震える悲しみの声…!

ここドキッとしました~!!!えぐい!!

自分のことを「ほら怖いだろう!!」と脅かして楽しむのと同時に、そうしている自分が悲しくなってしまう。

この自嘲は25thではあまり感じないなーと。「寂しいの!気づいて!」の駄々っ子かまちょ感が強いラミントムだったものね。

年齢を重ねてラミントムがどう変わるのかが楽しみでしたが、単純にお父さん的ファントムにはならなかったみたい。

常に斜め上を行くラミンさん…。やっぱりすごい…。

そして仮面を付けたら急にスン、は安定。

仮面で隠すのよね。何もかもを。

 

【マネ1】

 
 
 
 
 
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やっぱりフワフワ頭が可愛いアールアンドレ

でも、少し声が出きっていない印象。以前耳の不調のことをインスタで説明されてたので心配。歌うこと自体には影響ないとは言ってたけど…。

あまり表情はないけれど、ここでも異質な美声を響かせるGianさんピアンジ。

そして最下手にいながら全員を殺しにかかるブラッドリーラウルの声量。(ラウルサイコパス説④

Letterの前半、舞台上手の方でずっとパンジャブ縄を使って遊んでいるメグが少し謎でした。そこにマダムがやって来て二人で支配人室にやって来る、という流れ。

やっぱり何事にも興味津々メグ、ってことかな。

 

【イルムート】

伯爵枠の方は、最低音を上げて歌ってましたね。

ファントムの声に同様したカーラは、気を取り直すために口に香水(?)を振りかけてもらっていました。

どうやらそれにファントムが薬を混ざていたためにカエルの声になってしまった、という設定。(映画版ですね)

そしてやっぱりバレエ…。

私も細々細々20年程度のクラシックバレエ、ダンス経験なので偉そうなこと言えないんですけど。

なんですけど、これは誰がどう見ても明らかにひどい。

後からプログラム見て確信。だいたいの方が、バレエ以外のダンスを踊れるミュージカル俳優だったようです。

だったらもう全カットしてくれてよかったのに…。

しかも、「心配ないさ〜」と言わんばかりにロープにぶら下がって背後を行ったり来たりするファントム…。まじか。

首を吊った後のブケーは出て来ませんでした。私が見えなかっただけ?

 

【屋上〜AIAoYリプライズ】

ここね~!

少し問題のシーンでしたね(笑)

屋上に逃げてきたクリスですが、屋上にある狭い足場みたいなところに立っている設定なんですね。

 
 
 
 
 
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そこをオロオロ行ったり来たりするクリス。もしかして飛び降りに来たのかな、と思うような様子。

やって来たラウルにも、ひたすら「来ないで」のジェスチャー。それは興味深い。

でもね。よっぽど危険な足場なんでしょうね。ラウルがそこに腰かけるんですよ。

そして、恐る恐る横お尻歩きでクリスににじり寄りながら歌うんですよ…。

見てる方が怖いわぁ。さっきまでのワイルドさどこいった?(ラウルサイコパス説⑤

「Then, say you share with me~♪」で声量上げて駆け寄ってきてくれるラウルを見慣れているせいで、そこさえもお尻歩きしながら歌うま響かせるラウルに強烈な違和感(笑)

(しかも長髪ワイルドマッチョ)

最後の最後にやっとクリスの手を取って「Anywhere~♪」

いやね、ブラッドリーラウル、すごいんですよ。本当すごかったの。もうAIAoY、ほぼクリスの声は聞こえないくらいすごいの。

だから余計にね、演出…!!!(自粛)

 

ラウルのお尻歩きの残像にやられつつも、AIAoYリプライズのラミントムの良さはしっかり見届けました。

25thもだけど、やっぱラミントムはここ絶品…。

「wing~♪」の消えそうで消えない高音の儚さ、切なさ、脆さ、繊細さ。からの爆音「You will curse~♪」

この切り替えがラミンさんの魅力ですよね…!奇跡の声帯。本当、楽器か。

 

シャンデリア落下時、舞台上のカーテンコールは無し。シャンデリアに乗ったファントムが客席にせり出してきて一幕終了しました。

爆発音とか炎とか、イタリアは激しい。 

 
 
 
 
 
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(これも、なんかちょっとじわった。)

 

 

 

後編に続きます!!