Beeの観劇記録✿

ミュージカル大好きなBeeの観劇記録

ロンドンでミュージカル『Crazy For You』観劇(2023年6月28日)感想

こんにちは、いつも観劇の度に、「ブログ書くぞ書くぞ」詐欺をしているBeeです!

この度はロンドンにて上演中のミュージカル、

『Crazy For You』を観劇してきました!!

いやー本当にこの作品は最高ですね!ハッピー!

ちょうど日本でも劇団四季が同作を上演中。私も先日一時帰国の際に観劇しましてきたので、記憶が新しいうちに印象の違いを含めて感想を書き留めたいと思います!

 

〈目次〉

 

 

【基本情報】

現在ウェストエンドで上演されている本作は、2023年6月23日~2024年1月20日の期間限定。

ロンドンのコヴェントガーデンにある「Gillian Lynne Theatre」にて上演中です。

元々ミュージックホールだった建物を1973年に改装したため、ロンドンではかなり近代的な劇場。

こちらの劇場は作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー(ALW)が所有。

長く「CATS」を上演していたことで有名です。

何度も名前が変わっており、現在の名前は

そう!

あの『CATS』や『オペラ座の怪人』の振付家Gillian Lynneの死後にALWによって付けられた名称です。

ウェストエンドで唯一、王族でない女性の名前がついている劇場だそうですよ。

入口に堂々とジリアン。2018年に亡くなりましたね…

階段上っても堂々とジリアン。

1973年に劇場としてオープンした当初はニューロンドンシアターという名前だったらしい。

古い劇場が多く、「バリアフリーとはなんぞや!」

なウェストエンドでは珍しくエスカレーターが設置されていました。

が、ワンフロア上った先は延々に続く階段…。

ほんと。そういうとこ。(笑)

ふと廊下の途中にこんな名前のお部屋も!
VIPルームかな?!

本日のキャスト。光っちゃってます。

四季版クレイジーフォーユーのグッズも可愛いですが、ロンドン版も可愛いものが多かったです!😊

「London」の表記があるマグカップには惹かれましたが、我慢していつも通りプログラムだけ購入。

今回も最安の席を購入していたので、延々と続く階段を上ります。

そして席を探してちょっとびっくり!

二階席の最前最端ということはわかっていたのですが、予想以上の真横アングル!

「ダンス演目だし、二階でいいかな~。最前だし端でも!£28なんて超お得!」

と思っていたら、ほんっとに真横!!一瞬焦りました…!

でも、始まってみればめちゃちゃ近くて役者の表情が良く見えるし、目の前に海外特有の規格外に体格のいい男性が来ることもないし、結果超高コスパ席で最高でした!

初めて観る演目でなければ、超おすすめです!

まあそうじゃなくてもこの劇場、全体的に傾斜も急で、二階席は座席の背もたれが男性の頭より遥かに高く、どこでも見やすそうでした。

やはりジリアン・リンの名前を持つ劇場ですから。ダンス演目が見やすいようにできてるんでしょうかね!だといいな!

そして観客は、たいていどこの劇場にもいる「観劇大好き!ステージドアも行くよ!」なアジア人(自分含め(笑))が全く見当たらないというレアさ。

観光客も少なそうで、ワンピース率が非常に高く、お洒落で粋な本作への意気込みを感じて始まる前からハッピーでした。(何目線?(笑))

 

【感想・四季版との比較】

比較、とは書きましたが、結局、どんなやり方にしろ、いい意味で、

やっぱりCrazy For Youはいいぞ!

が率直な感想です!(笑)

音楽、ダンス、世界観すべてが最高。楽しい!かわいい!お洒落!面白い!

皆さん共感してもらえると思いますが、「これ好きじゃない人いるの?」という。

客席も大盛り上がりでビッグナンバーの度にテンションが上がります。

 

まずは、2023年6月のウェストエンドライブでの「Slap That Bass」のパフォーマンスをどうぞ!

www.youtube.com

 

全体の雰囲気をお伝えしたところで、キャストの感想を。

主演ボビー役のCharlie Stempさんは最近まで『Merry Poppins』でバート役をされていた、まさに「ダンスで魅せる!」俳優!

劇場外ポスターでも「24カラットのスター!」なんて評価されてます

私も昨年10月にメリポピで拝見していたので、ダンス(特にタップ)の魅力は認識済み!(過去のブログはこちら↓。やっぱちゃんと記録しておかないとね…)

concertoinf.hatenablog.com

あのキラキラした笑顔とダイナミックなダンスは、正直バートの時よりもずっと増し増しでよかったです…!

個人的にジーン・ケリー系の役柄(ボビーもバートも私の中ではその括り)が好みで、

「悪意がない強引さとピュアで誠実な色気」が必要な役をピタッと上手く演じてもらった時のワクワクが大好きなのですが、

今回はそれをしっかり体現してもらえた気分です。😁

直前に劇団四季斎藤洋一郎さんの新ボビーを拝見していたのですが、

洋さんのタップが「キレと優雅さ」なら、

Charlieさんのタップは「軽快さと大胆さ」

でしょうか。(伝わります?)

正直タップダンスに詳しくなく、ぶっちゃけよくわからないのですが、洋さんのタップはいつ見ても「はあああ!これがタップダンスか~」となる私。

Charlieさんはそれとは印象が違いますが、なんかね、カッコよかったです!(唐突に語彙力崩壊)

 
 
 
 
 
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ピンクちゃん達みんな可愛すぎる…

 

ポリー役のCarly Andersonさんは、気が強いというよりは、「まっすぐさが可愛い!」の印象の方が強かったです。透き通る歌声も綺麗。

あくまで推測ですが、西洋人の方が日本人よりもぱっと見気が強そうな人が多そうなので、「可愛げ」を重視したキャスティングなのかなーと。

日本だと、いつも強さと可愛さの絶妙なバランスを持った方がキャスティングされているイメージなので、少し新鮮でした!

もう一つ新鮮だったのはボビーの婚約者アイリーン役のNatalie Kassangaさん。

こちらも四季版のイメージで「姉っぽいオトナな魅力の女性」という印象があったのですが、Natalieさん、「天然お嬢様」味が強かったです!

 
 
 
 
 
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なのでボビーが委縮する相手というよりは、お嬢で世間知らず過ぎて突飛な言動をしてしまう…という印象。

そんな彼女のNaughty Babyめちゃ盛り上がります。そもそもこのビックリ展開にアイリーンの動機説明なんて必要ないよ、という天然アイリーンの説得力。

日本だとNaughty Babyの雰囲気に合わせたキャラクターイメージが作られたのかもしれませんね。どっちもあり~!

その他、ランク役のMathew Craigさん、ザングラー役のTom Edenさん、みんなとてもとてもよかった。

フォーダー夫妻は完全なるコメディ要素。アメリカ人目線の気取ったイギリス人、といった描写。

やや誇張気味のイギリスアクセントに、イギリス人観客たちは大爆笑でした(笑)

アクセントといえば、ザングラーにも独特のアクセントが!

後から調べてみると、なんとザングラーはハンガリー人の設定みたいですね!知らなかった!

この独特なアクセントをザングラー扮したボビーが真似するので、なりきりがわかりやすい。

日本版は言い回しに特徴を設けていましたが、なるほどこれは英語版じゃないとわからない真似っぷりだったのか、と納得!

その他日本版の違いとして、いくつか存在しないコメディーシーンがありました。

例えば、個人的に大好きな、パッツィの

「あたしの胸じゃないの、自分の胸」

はロンドン版にはありませんでした😂(彼女のキャラは同じです!)

たぶん西洋人観客の方が大笑いする率が高いので、日本版の方が微妙にユーモアに凝っていると思います。びみょーうな違いです。

実際、あそこまで客席が大笑いする作品、日本では珍しいですよね。すごい上手くいっている。

セットも配置が違ったり(デッドロックの劇場が上手側!私は残念ながら見切れ)、

ピンクのダンサーちゃんたちは車ではなく床や箱の中からそれぞれ登場したり。

それでも印象的な有名シーンやコメディ部分はほぼ同じく最高のCrazy For Youでした!

 

あと、小声ですが、ダンス含めた振付は四季版の方が凝ってたと思います。ひとひねり多いです。引くほどの身体能力と練習量を要する部分が四季より抑えめ。四季の方が消費カロリーが多そう。(笑)

ウェストエンド恒例の「周りなんて気にしないわ好きに踊るのよバラバラダンス」は、今回近い席で見ていたので気にならず!でした!(笑)

 

 

【まとめ】

Crazy For You存分に楽しめました!

しかも、今回直前に四季版を観ていたのもよかったです。

どちらがいい悪いというのはなく、純粋に作品そのものが素晴らしいのと、

日本版は笑いとダンスのローカライズが非常にうまくいっていることを再認識した、

というのが感想です。

根源を辿ればね、ガーシュインの曲が最高じゃないですか。

(ちなみに私は『パリのアメリカ人』も大好きです。狂ったように好きです。)

普遍の王道ミュージカル、最高でした!