『オペラ座の怪人』@イタリア・トリエステ の観劇・感想②(2023年7月12日)
Beeです!
イタリア・トリエステで観劇した『オペラ座の怪人』の感想後半になります!
念願のラミントムに感動しつつも、見慣れない演出に若干戸惑った前半。
でも非常に興味深かったのでぜひ記憶を共有したい!
ということで、後半戦です!
〈目次〉
- 【アントラクト】
- 【マスカレード~Why so silent】
- 【マネ2~ドンファン稽古】
- 【墓場】
- 【ドンファン~Point of No Return】
- 【Down Once More、Final Lair】
- 【終わりに】
【アントラクト】
この作品ファンの方なら共感して頂けると思うのですが、私はここが大好きです。
よく目を閉じてCDの音源に浸る時間を作っています(笑)
音楽に関しては全くの素人なのですが、ここが気持ちいいと作品の力が増し増しに感じられる。
イタリアプロダクション、オケめちゃめちゃよかったと思います!
本当にCDの音源を聞いているような正確さと、絶妙なテンポ感。
特に、Angel of Music⇒Music of the Night、Music of the Night⇒All I Ask of Youのメロディが切り替わる二か所。それとAll I Ask of Youのサビに入るときのクレッシェンド。大好きなんですよね。
そこが本当に気持ちよくて、音が膨らんでいく感じ。
楽器も多かったのかな?とても力を入れていたと思う。ありがとうイタリアプロダクション。
【マスカレード~Why so silent】
アールアンドレはタキシード姿。
骸骨じゃないのね、と思ったらフィルマンはまさかのフリフリピンクドレス(笑)
そしてメグがまさかのペルシャ猿でした!アンサンブル少ないから?!
(これはお猿さんスパイ説をどう解釈したらよいのか?!)
そしてね、また振付の件ですが。
マスカレードと言えば!の振付や大階段を無くす試みはいいと思うんですけど、お遊戯会チックな振付でしたね…。
全員上手から一体ずつマネキンを連れて社交ダンス風に登場するんですが、その感じも幼稚で。
もうダンスは諦めていることは理解していましたが、もうちょっとやり方なかったかなぁ、とやっぱり残念。
ただ、一部キャストが客席まで下りてきての大サビ歌唱は圧倒的でした!
振付無し、直立不動で歌うのもあってか、やっぱり歌唱クオリティは素晴らしかった!しかもファントム入れて23人しかいないのに!
(※四季は31人、WEは30人)
うん、ダンスに手が回らなくても仕方ないか!!
ラストは金色のヒラヒラ✨がたくさん降ってきました。届かなかった!欲しかった!
レッドデスで登場したファントムは最初からフェイクで録音。
楽譜を受け取ろうとしたアンドレの前にどこからか突然爆速で走って来て制止するラウル。(ラウルサイコパス説⑥)
気づいたら本物のラミントムとクリスは上手前方の客席にいてびっくり!いつの間に!
マダムを問い詰めるブラッドリーラウルの台詞回しはやっぱり滑らかで気持ちいい。(ラウルサイコ…いや、純粋にいいところ)
【マネ2~ドンファン稽古】
ここでもブラッドリーラウルの声量が優勝。
最後、みんなに説得されたクリスは「I can't!」を言わずに自分を鼓舞するようにウンウン、と頷いていました。そしてラウルの力強い宣戦布告。
これはアリでしたね!自然かも!
そもそもよく考えたら、通常演出でイラっとしてファントムに宣戦布告するラウルも、結局ボンヤリと稽古に参加するクリスも若干謎かも。
【墓場】
Wishingは正直そこまでこなかったかな…。
キーは問題ではなく、迫力とか、そもそもの声の感じが私の思ってるクリスじゃないってだけの問題かな…。
しかも三重唱、ラミントムとブラッドリーラウルの声量が正常値を超えちゃってるんですよね…。
そのせいもあってかクリスが、体格も声も存在感も大きいイケオジ二人にやりたい放題されてるお人形みたいに見えてきてしまって。
…まあ、それもあり…?と自分を納得させました。(笑)が、
Angel気取りのファントムに銅像の翼が生えてフライングを始めたところで唖然。(笑)
ここの写真も公式にあればいいのに…。
急にジャニーズ風になるラミントム、刺激が強かった…。
しかも出てくる炎が激しすぎて熱すぎて。客席も悲鳴と笑いが入り交じり。
嗚呼、イタリア…!!!!愛おしいよ。
【ドンファン~Point of No Return】
1幕で書き忘れましたが、レイエは出てきません!姿なく、誰かの声の録音が流れるだけ!人足りないのね!
そしてまたもやGianピアンジの声がすごいです。
そう思っていただけに、ファントムが出てきたときに「ん?」となりました。
だってね!ファントムの歌い方がGianさんの本物オペラそのものだったのですよ!!
衣装にも膨らみを出していたので、本当にピアンジのままかと疑ったくらい。
でも「Past the point of ~♪」からラミンさんの声だとわかるようになったので、正直、
・ラミンさんの歌い方の幅がすごすぎる
・途中までGianさんの録音だった
のどちらだったのか判断つかず。
前者なら、その時硬直しちゃったくらい、すごい。
でも本当にどちらかわからないのであまり騒がないでおきますね。(笑)
いずれにせよ、初めて見る観客にも、ファントムに入れ替わったことを気付かせたくないスタンスの演出だったんでしょうね。
クリスも最後まで全然気づかず。
気付いてからは引っ張り合いもなく、劇を続ける二人。
興味深かったのは、ファントムが自ら帽子(フードじゃなく帽子)を取ったことですね。
確かに!ファントムが自分から見せる覚悟で来てたと考える方が自然かも!
「Anywhere~♪」はもちろん爆音のラミントム。
仮面はクリスにはがされて大層ご立腹の様子。
【Down Once More、Final Lair】
期待通りどんどんぶち上っていくラミントムの勢い。すごい。
クリスはアミンタの衣装のまま地下室に到着。これも自然かも。どこでどうやってウェディングドレスに着替えさせられたんだ、って感じだものね。
ファントムがイライラとヴェールだけ着けさせます。
そして、どんどんボルテージが上がっていく中、
ラウル、半裸にサスペンダーで登場。(イタリアラウルサイコパス説⑦)
しかもムキムキ。リアルにこれ。これにサスペンダー。
いや、もっと太いかも。
リアルにこっち。これにサスペンダー。
濡れてるしこっちかな。これにサスペンダー。
いや、もう、そっちしか目に入らないよ。
嘘でしょう。
しかも、ラウルは首吊りワイヤーでスーッと本当に上に持ち上がる仕掛け。
持ち上がったラウルの裸足にマスカレードの金テープめっちゃついてる。それにサスペンダー。
嘘でしょう。(二回目)
気が散るわ。
と、そんな中でもラミントム・ブラッドリーラウルの白熱っぷりを何とか堪能。
でも、ずっとフンフン喚いていたラウル、太鼓(スネア?)の音のところで本当に動かなくなったのでまたびっくり。あれ死んじゃってるよ。ファントム急いで。
いや~…。
ラミンさんがどんなにすごい演技しても、
ブラッドリーさんがどんなに上手く歌っても、
とにかくターザンラウルのビジュアルに持っていかれてしまう!
あれは大失敗!
頼むからミラノ公演ではシャツを着せてくれ!
BWばりのビリビリでいいから!
か、百歩譲ってサスペンダー無くしてくれ!
【ラスト】
はあ。ラスト本当によかった。
(ターザンはいなくなり、)マスカレードを奏で始めた猿に向かってラミントムは手をくるくるっとしてお辞儀。
えええ。どういうこと?
道化のように仮面に隠れて生きてきた人生。
まるで惨めな演劇の終末を、自らあざ笑うかのような。
覚束ない動きと泣き出しそうな表情とは裏腹な、どこかおどけたお辞儀の仕方。
思えば一幕からずっと自嘲気味ラミントム。
確かにラミンさんぽいかも。えぐい。これが今のラミン・カリムルーのファントムか。
そして自ら猿を抱えて舞台中央へ移動し、一緒にシンバル叩く真似。
25thの、印象的な場面。ラミントムの生シンバル叩き見れちゃった。
戻って来たクリスは苦しそうに指輪をベッドの脇に置く。
気配だけでそれを察したファントムは、彼女を振り返らずに呆然と客席の方を向いたまま
「Christine, I love you」
そのか細い旋律の美しいこと!!!
「love」の部分の伸ばし方!!!
絶品!!!!!
二人顔を合わせないこのパターンも良かった~!!! 😭😭😭
もう本当すごいよかったです!!!
で、ヴェールを抱えて小さく「クリスティーヌ…」からの
「You alone can make my song take fight~♪」
ほんっと!爆音!!
ここでマックス持ってきたー!!!
いや本当に冗談抜きで、このラストの歌唱だけでチケット代元取ってる。というか、今更、改めて、7列目超視界良好で€78は本当に安すぎた。
冗談抜きで、この瞬間体中の水分全部舞台の方に持っていかれた。
ラミンさんって観る度に「こんなにすごかったっけ」って思うんですけど、(もちろんいつもすごいと思ってる前提なんですけど)、それが今回は観劇中に二重で起こりましたね。最初と、それをもう一度更新するラスト。
ここまで声量溜めてたんかーい!
最後の最後に自分のメロディに思いを乗せたところにマックスを持ってくるの。究極だわ…!!
…と、大感動していたのですが、
歌い終えてベッドに入るファントムに、
まだビリビリしている脳のどこかで「ん?」。
最初に地下室に乱入してくるのはなんとマダムジリー。
ベッドに入ったファントムと目が合い(!)、お互い手を伸ばす。(!!!)
で、ファントム、ベッドに頭から潜り込む。
…ベッド人の形してる。
そこでようやくメグや他のみんなが乱入し、兵隊が人の形のベッドに銃を向けシーツを剥がすが、そこには仮面だけが残されており。
メグが仮面掴む。
マダムに手渡す。
で、終了。
非常に興味深い終わり方でした。
マダムとファントムの繋がりを感じさせるラストは、映画版意識かあるいはラミンさんだからラブネバに繋がる伏線を意識したんでしょうかね。
面白い。
けど、ベッドか…。ベッド…?
もうよくわかんなくなってきました。
隠れるならどこでもいっか!
ラミンさんのファントムすごかったからいっか!!
以上、イタリア演出版『オペラ座の怪人』の感想でした!
【終わりに】
とにかく、念願のラミントムを生で観られたのが幸せでした!
キャストも豪華で、劇場も華やかで、歌唱全般とオケのクオリティに大満足!
長々とだらだらと書いてきましたが、以下ハイライトです。
・自嘲ファントム
・子爵様のお尻歩き
・翼の生えたファントム
・首吊りターザン
・You alone can make my song take flight
・ふて寝ファントム
〈結論〉ラウルはサイコパスだった
あ~観に行ってよかった!!
ファントム大好きだし語ることが多くて、そういえばWEでのファントム観劇については一つもブログを書いていませんでした…。ちゃんとキャスト変わるたびに観てます!
少しずつまとめていけたらいいな、と思っています!
それでは!