ロンドンでミュージカル『アスペクツ・オブ・ラブ』観劇(2023年7月3日)感想
こんにちは、Beeです!
ここのところ時間に余裕があり、観劇直後にブログを書くモチベを保てております。
今回観劇したのはこちら!
Aspects of Love
日本でも劇団四季が上演していた本作、私は今回初観劇でした!
巨匠アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲作品ということでずっと興味を持っており、
名曲『Love Changes Everything』はいたるところで聞いていたので、ロンドンで再演と聞きつけ即チケット購入しました。
しかも、な、な、なんと、あのマイケル・ボールさんが出演!!
ということで予習もバッチリ。非常に楽しみにしていたのですが…
ハプニングやラッキーもありましたので記したいと思います。(笑)
こちらは四季版↓↓↓
〈目次〉
【あらすじと相関図】
舞台は二次大戦後のフランス。
19歳のアレックスは、舞台女優のローズのファンになり、自分と一緒に別荘に来ないかと誘う。
彼がまだ若いことを気にしていたローズだったが、舞台も中止になってしまったため、ついていくことにした。
別荘で楽しい時を過ごす中ローズもアレックスに惹かれていくが、そこへアレックスの叔父であるジョージがやってくる。実はこの別荘はジョージのものだったのだ。
ジョージは二人を温かく迎える。
しかしローズが彼の亡き妻のドレスを着ると、その姿があまりに妻に似ていたため、ジョージもまたローズに惹かれてしまう。
やがてローズは電報で仕事に呼び出され別荘を去るが、他の誰も彼女がこの別荘にいることを知らないことから、アレックスその電報は自作自演だったことに気づき、絶望する。
二年後、軍人になったアレックスがジョージに会いに行くと、そこにいたのはジョージと暮らすローズだった。
憤慨したアレックスとローズの様子を見て身を引くことにしたジョージは、ヴェニスにいる愛人、ジュリエッタの元へ向かう。
しかし、それを追いかけてローズもヴェニスへ。そこでローズとジュリエッタは意気投合。三人で仲良く生活を共にする。
ジョージが破産したことをきっかけに、ジョージとローズは結婚。ローズは女優の仕事で彼を支える決意をする。
12年後、ローズは女優として大成功していた。
彼女のことが未だ忘れられず舞台を見に行ったアレックスは、ローズに連れられてあの別荘へ。ジョージと娘のジェニーに迎えられた。
更に時が過ぎると、年頃になったジェニーはアレックスに恋をしてしまい…。
とまあ、これだけ言ってもかなりドロドロした恋愛劇です。
私も事前に色々調べたのですが、正直見るまではイマイチ頭に入ってこず…(笑)
名前と関係性がよくわからなくなるので、雑な相関図を作ってみました。
〈ストーリー序盤〉
〈ストーリー後半〉
いや、改めて見てもとんでもない話ですね(笑)
【劇場】
今回の劇場はピカデリーサーカス駅すぐ。中華街の真横にあるLyric Theatre。
そもそも事前に調べていたあらすじに反して随分ピンクで可愛いわ、
と思っていたら中はもっともっとピンクでラブリー💓
LOVEが全面に押し出されていますね!
いつも通りプログラムと、今回はトートバッグも購入してしまいました。
だって可愛いんですもん。
ピンクだし、「ミュージカル」とか書いてないので、デニムとかに持っても可愛いかな~と思いまして。
(といいつつ、一旦部屋の壁に飾っています。可愛い。)
【まさかの出来事】
先程も書いたように、目当ての半分はマイケル・ボールさんだった今回の観劇。
ボールさんがね、アスペクツですよ!
ボールさんと言えば、『Les Misérables』マリウス役のオリジナルキャストで、他にも『オペラ座の怪人』ラウル役でも有名ですが、
本作のアレックス役オリジナルキャストであり、ボールさんと言えば『Love Changes Everything』!というくらい切っても切り離せないイメージが強いですよね!
若かりし日のボールさんが歌う『Love Changes Everything』をどうぞ↓↓
ちなみに、あまりに色々な場所で歌いすぎてJOJことジョン・オーウェン・ジョーンズさんにいじられまくっていたお話はこちら。↓↓↓
そしてそして、今回はなんとボールさんがアレックスではなくジョージ役、ということで見逃せない公演だったわけですが…!
まさかのAlternate、Dave Willettsさんでした!!!!!
なんとプログラムを開いて初めて、月曜ソワレだけはデイブさんであることが判明!
下調べ不足なのか、みんな知らなかったのか…?
ボールさん目当てだっただけに、正直少しショック…。
海外で時々発生する、「役者目当てで行ったら違う人」現象、後から教えてもらって理屈がわかりました!
目玉役者が出ている場合、一週間の中でマチソワ(一日二回公演)の前日はお休み、といのが基本なんだそうです!!
知らなかった~!そりゃ疲れますもんね!
もちろん、これとは別に長期の休暇を取っている場合や、定期的にアンダースタディの方が出ている場合もあるので、お目当ての俳優がいる場合のSNSチェックは欠かせません。大抵事前にご本人がお知らせしてくれています。
これ詳しい方々の間では当たり前の話なんでしょうね…!
ご旅行の際など、ぜひチェックしてみてください!
ところが私の勉強不足でして、こちらのデイブさん、すごい方でした!失礼いたしました !!
なんと世界で初めて『レミゼ~』のバルジャン役と『オペラ座の怪人』ファントム役を務められた方だそうです!!
ファントム役は、マイケル・クロフォードに続く二代目!
そんなすごい人ならむしろレアだし観られてラッキー♪
そして今回、もう一つのサプライズが。
劇場が非常に狭いこともあり、今回は4階バルコニー席最後列の£23のチケットを購入していたのですが、
今回は初めて「事前チェックイン」のお知らせメールが。
要は飛行機のように、「明日実際に来られる人はチェックインしてね」という仕組みらしい。
そんなシステムあるんだ~と、言われるがままにチェックインするとチケットが届きました。
そこに書いてあったのは、
「Stalls D列」
の文字。
え?Stallsって1階席では…??
首を傾げつつもスタッフに聞いてみると、やはり当たり前のように1階席4列目に案内されました!!
えーっ!!£23?!お得過ぎ!!
本来なら£108の座席です!!!
これはあくまで推測なのですが、チェックインシステムを導入することで、前方にできた空席から穴埋めしているようでした…!
上の階の席を除いてもガラガラだったので、そういうことかと…。
もしかするとボールさんが出演しないためにキャンセルが多く出たのか?
詳細は不明ですが、ウェストエンド恐るべし!
このシステム、実際のところどうなんですかね?!
今回私は非常にラッキーでしたが、値段を考えると正規の金額を払っている人からしたらだいぶ不公平な気が。
なんにせよ、日本なら絶対あり得なそうですよね…!
座席からの眺めを撮影してみたのですが、近すぎ&幕が黒、なせいで何も映らず。
あまりの近さを記録したかったのですが、代わりに振り返って無理やり撮ったこちらを一応載せておきます…。
【感想】
さて、思いがけない出来事たちはさておき、初見『Aspects of Love』の感想です!
予習をした段階で、かなり複雑でドロドロの愛憎劇みたいなものを想像していったのですが、予想に反して
とても爽やかで美しかった…!
もうこんな感じです。新緑の色。(どんな感想)
とても不思議な体験だったし、シンプルに興味深かったです。
全体的にぼんやりとした雰囲気だし、物語にはやっぱり共感できないのですが、
「美しい戯曲を観た」という感じ。
演劇は文学だ、と改めて気づかされる。
ジョージの役者さんは、「いつまでも現役バリバリだぜ。若い女の子最高」みたいな雰囲気があるとよくないんだと思います。
ちょっと天然感のある、素敵なおじさまじゃないと。
デイブさん、おそらく現在70歳を超えていらっしゃり、見た目は上品なおじい様。
ジェニーは娘というよりは孫という感じでしたが、こういう上品で素敵なおじい様だったら、若い奥さんや愛人がいても納得~
そりゃそうよ、素敵だもん、って感じでした!
ローズは「都合のいい女」だな~なんて見ていたのですが、Laura Pitt-Pilfordさん、ラストの熱演で彼女が抱えてきた寂しさに心を打たれました。
高音から低音まで綺麗で、一度マイクがキャパオーバーしてバリバリっという音がしたほど(笑)
調べてみたら、アニメ『ドクターストーン』の劇中に出てくる歌を歌われているみたいですね。日本とそんな縁が!↓↓↓
ドクターストーンのリリアンの歌が泣ける!声優とは別の人で歌詞の和訳は? | ワンピース呪術廻戦ネタバレ漫画考察
アレックスのJamie Bogyoさんは、『Moulin Rouge!』の主役クリスチャンのウェストエンドオリジナルキャスト。しかもそれが彼のウェストエンドデビューという怪物です!
なるほど、とても膨らみのある声で素晴らしかったです。
一幕でのキラキラとした夢見る青年と、年月が過ぎ、軍隊も経験した二幕の疲れっぷりのギャップが大きかったです。
ローズのことずっと忘れられなかったんだな…。しみじみ。
あの別荘には魔物?ジョージの前妻の霊?みたいなのがいると思うので、もう行かない方がいいよ、忘れた方がいいよ、と思いながら見守りました。(笑)
(ジョージも毎回「いらっしゃーい♪」って迎え入れるんじゃないよ!)
私が一番好みだったのはジュリエッタ役のDanielle De Nieseさん。見た目も歌声も、サバサバした男前感があって、でも笑顔がキュートで、とっても魅力的でした!
ジュリエッタは本当はローズのことが好きなんじゃないか…という説も後で聞いて納得…。
調べたら、なんとオペラで来日もしていたらしいです!日本でCDデビューも!
ひゃーまたどこかでお目にかかりたい!
ジェニー役の子役ちゃんもめちゃめちゃ上手。
アダルト・ジェニーはプログラムに追補されていたChumisa Dornford-Mayさん。
どことなく広瀬アリスさんに似た笑顔で、元気で可愛くて上手。
アレックス、もうおじさんなんだから手を出さないで!と思いながら見てました。(笑)
お葬式のシーンは少し怖かったですね。
劇団四季バージョンだったらきっとダンスの見せ場なんだろうな、と予想。
また、サーカスが二回登場するのはどんな意味があるのか?
愛憎劇を道化芝居に魅せたいのでしょうか?
アンドリュー・ロイド・ウェバー(ALW)だから少しばかりサーカスティックな一面を期待してしまいます。
ALWと言えば、やはりこの作品を美しく見せているのは音楽なんだと思います。
美しいったらありゃしない。
ALWお得意のリプライズがえぐい。
セリフも一切ないので曲数は多いのですが、掘り下げたら主となるメロディラインは5、6個種類しか存在しないんじゃないの?というくらいの。
サーカスティックといえば、「Love Changes Everything」のリプライズの多さもわざとだろうな、という気がしました。
(名曲だし私も好きですが)やや単調で(JOJさんに言わせれば「つまらない」笑)、取りようによっては少しイラつくくらいの壮大さがありますよね。
登場人物たちが、誰かへの愛を自覚する度に歌われるこの曲。
コロコロと移ろいゆく恋愛劇も、斜めに見れば滑稽。その滑稽さを表しているような気もしました。
それなのに後味爽やか。
何かとてもいいものを観た気持ち。
【終わりに】
いやー、ボールさん回をもう一度観に行くか迷います!!
いや、行きたい!
行くと思います!
観に行ってよかった!
また劇団四季でもやってほしいですね!
今ならどんな俳優さんがやるかな~なんて妄想が膨らみます。(笑)
それでは。また観に行ったら更新します!