ロンドンで上演中ミュージカル『Back to the Future』まとめ 前半

こんにちは、Beeです!
遅くなりましたが、ロンドンで複数回観劇したミュージカル「Back to the Future」をまとめます!
何しろ日本で劇団四季が上演するということで、楽しみでなりません!
長くなるので、前・後編に分けて書いていきたいと思います。
〈目次〉
- 【はじめに】
- 【劇場・アクセス】
- 【曲&ストーリー】
- [It’s Only a Matter of Time (ただ時間の問題だ)]
- [Audition / Got No Future (オーディション/未来がない)]
- [Wherever We're Going (どこへ行こうと)]
- [Hello, Is Anybody Home? (もしもし、誰かいるか?)]
- [It Works (機能するぞ)]
- [Don't Drive 88! (88マイルで走るな!)]
- [Cake (ケーキ)]
- [Gotta Start Somewhere (どこかからスタートしなければ)]
- [My Myopia (僕の近眼)]
- [Pretty Baby (かわいいあなた)]
- [Future Boy (未来少年)]
- [Something About That Boy (この子には何かがある)]
【はじめに】
今回は、楽曲リストをベースにあらすじや雰囲気をまとめています。
あまりにも有名な映画ですのでストーリーのネタバレは容赦なく盛り込んでいますが、もちろん映画と異なる箇所もありますので、まっさらな状態で観たい方は読まないことをお勧めします。
ただし、アッと驚くような演出についてはネタバレしていません。
・ロンドンで観劇する前に予習しておきたい
・日本で開幕する前に予習しておきたい
・日本キャストを予想したい
という方は、長くなりますがぜひ読んで役立てていただけたら嬉しいです!
また、曲のタイトルですが、英語で観たときの効果をそのままお伝えするため、あえてセンスのない直訳にしています(笑)
四季版にはきっと素晴らしいタイトルが付くことでしょう!期待!
こちらはウェストエンド公式トレーラーです。
【劇場・アクセス】
これからロンドンで観劇予定の方のためにも、一応劇場についても書いておきます。
こちら、Adelphi Theatreです!
地下鉄およびナショナルレイルのCharing Cross駅から徒歩四分、
地下鉄Covent Garden駅から徒歩六分、
トラファルガースクエアのすぐそばにある劇場です。
劇団四季『ゴースト&レディ』の舞台となっているTheatre Royal Drury Laneもすぐ近く。
近くにはレストランも多いし、大通り沿いなので見つけやすい!





この劇場の内装を考えた人たちは絶対に映画バックトゥザフューチャーのオタクなんだろうな…。
作品への愛とリスペクトが伝わってくる劇場です!
では、いよいよ作品について!
【曲&ストーリー】
ストーリーは1985年、マーティーがドクのラボを訪れるところからスタート。
録音されたドクの自動音声再生機械から、夜の待ち合わせの約束を告げられます。
ラボを出たマーティーが歌う一曲目が、
[It’s Only a Matter of Time (ただ時間の問題だ)]
ヒルバレーの街で暮らす生き生きとした人々と、そこを歩きながら夢を語るマーティー。
映画と違って、彼には「ロックアーティストになる」という夢があります。
タイトルと歌詞には、これから始まる「タイム」トラベルの物語という設定に加え、夢を叶えるまでの「時間」というダブルミーニングが。映画の内容に更に奥行きが出ていますね。
ちなみに音楽はあの有名テーマ曲のアレンジ。
市長に立候補しているゴールディー・ウィルソンも登場します。(ちょっぴりオバマ風。トランプを彷彿とさせるキャラも後々登場。)
こちらは2024年ウェストエンドライブでのパフォーマンス映像。一曲目がこの曲です。
[Audition / Got No Future (オーディション/未来がない)]
地元ライブのオーディションを受けるマーティー。しかし結果は散々で、校長先生から、マクフライ一家丸ごと「怠け者」とバカにされる始末。
自分には未来(将来)がない、と落ち込みます。
ここで、タイムトラベルにおける時間軸上の「未来」と、将来性という意味での「未来」も二重にテーマ化されていることがわかります。
あれだけの有名映画を舞台化するとなるとそれなりの深化が必要だと思うのですが、この作品は本当にそこが上手くいっている!
[Wherever We're Going (どこへ行こうと)]
オーディションの結果に落ち込むマーティーのもとに、ガールフレンドのジェニファーがやって来て彼を励まします。
しかも、彼女の叔父さんがマーティーのバンドに興味をもってくれているんだとか。
「どこに行こうとも、私たちが一緒にいればきっと大丈夫!」
マーティーが、地理的距離以上に遠くに行ってしまうことの暗示でしょうか…?
とっても爽やかなラブソングで耳に残ります。
ジェニファー、出番は多くないのですが歌うまでいい役どころ。
映画みたいにずっとハンモックで寝てるんじゃなくてよかった(笑)
途中、1955年の落雷で壊れた時計台の修復を求める女性がやって来て、マーティーにチラシを渡します。
[Hello, Is Anybody Home? (もしもし、誰かいるか?)]
帰宅したマーティーを待っていたのは、上司のビフにこき使われるうだつが上がらない父親、ジョージ。
ビフは使えない部下ジョージの頭を叩いて、映画でも有名な台詞、「Hello, is anybody home? (もしもし、誰かいるか?)」とやりたい放題。
アル中の母親ロレインや、ハンバーガーショップで働く兄デイブ、とにかくデートがしたいと主張する姉リンダも、マーティーにとっては頭痛の種。
家族それぞれの思いや、「一体自分の家族はどうなってるんだ?」と不満を叫ぶマーティーが歌うこの曲。
こちらも、ビフの有名な台詞を引用しつつ、マーティーの家庭への嘆きを同じフレーズで表現した、二重の意味を持つ歌です。
[It Works (機能するぞ)]
夜中ドクとの待ち合わせのために出かけて行くマーティー。
ドクはタイムマシーンの開発に成功したことを説明します。
マッドサイエンティストのクレイジーな面と、おちゃめな面、そしてお洒落な自己陶酔感も漂う本ナンバー。
趣は異なりますがアラジンの「フレンドライクミー」を彷彿とさせます。
登場する六人の女性ダンサーを見て「この子たち誰?」と尋ねるマーティーに、「知らんが、歌うたびに出てきてしまうんだ」とドクが答えるなど、愉快なシーンも。
個人的に、こういうミュージカルの違和感に触れるミュージカル好きです。(メタと言っていいのか?)
再びウェストエンドライブの映像。二曲目(03:10あたり~)が本ナンバーです。ドク、動くぞ~
[Don't Drive 88! (88マイルで走るな!)]
いよいよタイムマシンの機能を説明し、1955年に旅行先を設定するドクですが、燃料のプルトニウムを搭載する段階で、誤って放射能を浴びてしまいます。
(※映画ではリビアの過激派に撃たれてしまう設定ですが、センシティブなので変更したと思われます。)
慌ててデロリアンに乗り込み助けを求めに行くマーティーに、タイムトラベル機能が発動する「時速88マイルは出すんじゃない!」と警告するドク。
緊迫感を漂わせつつ、冒険が始まるワクワクを感じさせるテーマ曲にテンションが上がりますね。
どんな演出になっているのかは劇場でお確かめください!
[Cake (ケーキ)]
とにかく、タイムマシンで1955年にたどり着いたマーティーが街に出ると、住み慣れたヒルバレーは新規開発直後。
戦後の明るい暮らしぶりをアピールするヒルバレーの関係者や住民でいっぱい。
一曲目It's Only a Matter of Timeと比較して、音楽だけでなく衣装や街、振付の雰囲気が大きく変わっているのも面白いところです。
「女性はケーキを焼こう」「みんなでそれを食べよう」というような歌詞があるのですが、戦後の暮らしに余裕が出てきたことを表しているのでしょうか?調べたのですがタイトルにするほどの象徴性があるのかよくわからず…。ご存じの方いたら教えてほしい。
個人的な話、50年代のアメリカのファッション好き。衣装かわいい。
[Gotta Start Somewhere (どこかからスタートしなければ)]
街のカフェにたどり着いたマーティーが出くわしたのは、若いころの冴えない父親ジョージと、彼をいじめるビフたち。
なぜやり返さないのかとジョージに訴えかけていると、カフェの店員であるゴールディも話に加わり、彼にも「努力していつか周りを見返してやる」という夢があると語ります。
マーティーが思わず彼に「市長選に出ていた人だ!」と言うと、ゴールディはそのアイデアを気に入り、夜間学校を出て市長になると宣言。
公民権運動よりも前の時代。当時まだ黒人として差別を受けているゴールディが「始めなくちゃたどり着けない!」と明るく夢を語る、エネルギッシュなナンバーです。
こういう人種絡みの話は日本ではどう表現するんでしょうね!
歌もダンスも最高!
こちらは2022年のウェストエンドライブの映像。一曲目です。
[My Myopia (僕の近眼)]
Myopiaは直訳すると「近眼・近視」。
こちらは憧れの女の子ロレインの家を双眼鏡で覗きながら、冴えないジョージが歌うナンバー。
誰にも気づかれないように近くのものしか見ないようにしている。けど君を手に入れるためには本当は一歩踏み出して戦わないといけないよな、とのこと。
要は「君しか見えない」みたいなことが言いたいのかな。
木に登って女の子の部屋を覗くなんてまったくとんでもない奴だ。
窓の向こうの若干ガサツなロレインもキュートなシーン。
こちらのspotifyで再生できる一部分は後半の曲調が変わる部分なので、ぜひ冒頭から聞いてみてください!印象かなり違います。
[Pretty Baby (かわいいあなた)]
ロレインの部屋を覗くジョージを見つけたマーティーは、木から落ちてきたジョージとぶつかり、気を失ってしまいます。
そして目覚めるとそこはロレインの寝室。
有名なCalvin Kleinの下着のくだりも映画そのまま、マーティーを気に入ったロレインが猛アタックするナンバーです。
アグレッシブで夢見心地のロレインも、パニック状態のマーティーも、可愛くて面白い場面。
[Future Boy (未来少年)]
ロレインの部屋から逃げ出しドクに会いに行ったマーティー。
はじめはなかなか取り合ってくれなかったドクですが、その日の思いついたばかりのタイムマシン開発のアイデアを言い当てられ、マーティーを信じることにします。
しかし、未来に変えるために必要なパワー源を入手できないので、マーティーが未来に帰ることは難しいと告げます。
ドクに「Future Boy」と呼ばれたマーティーが、「帰れないなら自分に未来なんてない」と絶望するところから始まるこの曲。
しかし、雷ほどの電力があれば…と言うドクの言葉にマーティーが思い出したのは、落雷で壊れた時計台の存在。
アイデアを思いついたドクは、興奮してマーティーに呼びかけます。
Back to the future, boy!
You are the future boy!
頻繁に登場する「Future Boy」というワードは、「未来から来た少年」という意味と、「将来ある若者」という意味の両方で使われているようです。
[Something About That Boy (この子には何かがある)]
ロレインがマーティーに恋をしてしまったため、マーティーの持っていた兄弟の写真に異変が。なんと兄のデイブが消えかけていたのです。
ロレインとジョージを近づけるために二人の高校へ向かうマーティー。
そこでジョージと話をするうちに、実はジョージはSF小説を書くのが趣味だと知ります。
父親にそんな趣味と才能があったことを知らなかったマーティーは、「自信も未来もない」と弱気なジョージに自分自身の夢を重ね、彼に共感し、励まします。
そしてロレインにアプローチするよう説得しますが、乱入してきたビフからやむを得ずロレインを救ったため、ロレインのマーティーへの恋心は更に燃え上がってしまい…。
終始ロレインの目がハートに見える本ナンバー。「カルヴィンは他の男の子とは違うわ!」と歌う彼女と、「こいつは他とは違う、なんだかむかつく変な奴だ」と歌うビフ。
学校内で繰り広げられる追いかけっこが、視覚的にも楽しいです。途中、思わず吹き出してしまうようなネタがたくさん。
賢くて身軽なマーティーと、それを追い回すビフたち。雰囲気は「アラジン」の「One Jump Ahead (逃げ足なら負けない)」に似ていますが、夢見心地のロレインの歌唱との対比がまた面白い。
こちらは2023年ウェストエンドライブの映像。一曲目が本ナンバー。
そしてこの曲をもって一幕は終了。
後半に続きます!