こんにちは、Beeです!
ロンドンで観劇したミュージカル『Back to the Future』まとめ、後半です!
前半の記事はこちらです!
〈目次〉
- 【あらすじ(第二幕)】
- [21st Century (21世紀)]
- [Put Your Mind to It (本気を出せ)]
- [For the Dreamers (夢見る者へ)]
- [Teach Him a Lesson (奴に思い知らせてやれ)]
- [The Letter / Only a Matter of Time (Reprise) (手紙/ただ時間の問題だ(リプライズ))]
- [Deep Divin' (深く潜って)]
- [Earth Angel (Will You Be Mine) (地上の天使(私のものになって))]
- [Johnny B. Goode (ジョニービーグッド)]
- [The Clocktower / For the Dreamers (Reprise) (時計台/夢見る者へ)]
- [The Power of Love (パワーオブラブ)]
- [Doc Returns / Finale (ドクの帰還/フィナーレ)]
- [Back in Time (過去に戻る)]
- 【キャストについて(2023年~2024年6月時点)】
- 【おわりに】
【あらすじ(第二幕)】
[21st Century (21世紀)]
二幕の始まりは、ドクの夢の中。
1955年のドク、自らのタイムマシン開発が現実味を帯びてきたことで半ば興奮状態なのでしょうか。1985年も飛び越して、21世紀の夢を見ます。
1985年から更に先の未来、だけどそれは観客の生きている「今」。1955年と1985年という二点だけでなく、観ている私たちが時間軸という線でつながるような発想に、個人的にちょっと感動しました。
映画じゃなくて舞台だからできる、物語の世界と観客の世界が混じる感覚っていうんですかね。今更この有名映画を舞台化することの価値が生まれるというか。
個人的な感想はさておき、こちらはドクとダンサーたちがエレクトリックに歌い踊る、かっこいいけどどこか面白いナンバーです。
ちょっとディズニーランドのパレードっぽい曲ですね(笑)
[Put Your Mind to It (本気を出せ)]
個人的に今のところ一番好きなナンバー。
高校のダンスパーティーでロレインと踊るよう、ジョージを説得するマーティー。
しかしどこまでも弱気な彼に、マーティーはダンスやデートの極意を教えようとします。
何がいいって、途中から「ただただ二人でいるのが楽しい!」という雰囲気になってくるところですね。
最後にマーティーがジョージにしがみつくようにハグするのもなんだか泣けてくる。
映画よりもさらに、父子の絆が深まる様子がわかるのがいい。
そしてジョージの針金のようなダンスが癖になる(笑)
Put Your Mind to Itという台詞も、ドクやマーティー、ゴールディーと様々なキャラクターから随所で発せられるキーワードです。
こちら、私が大好きなパフォーマンス映像。
[For the Dreamers (夢見る者へ)]
マーティーを未来へ帰す計画がいよいよ形になってきました。
ドクはラボの壁に飾った憧れの偉大な科学者たちの写真を眺め、思いを馳せます。
犬のアインシュタインは舞台には登場しませんが、ここでアインシュタインの写真を持ってくる細やかさ。オタクが作っている。
「どんな偉大な発明家も、人知れず努力をしてきた」
ドクにも大きな夢があったことがわかる一曲です。
マーティー、ジョージ、ドク、ゴールディーの四人の夢に言及することで、映画が深化してますね!
ちなみに一幕、タイムマシーン完成時にマーティーに録画をさせる際にも、ドクは「すべてのDreamerに告ぐ」という趣旨の発言をしています。
劇場では最後の高音でなぜか笑いが起きますが、日本人には受け狙いなのか何なのかよくわからない(笑)日本版ではきっとそうはならないでしょうね。
[Teach Him a Lesson (奴に思い知らせてやれ)]
一方で、マーティーが高校のパーティーに参加することを知ったビフと仲間(子分)達は、どうやってマーティーを懲らしめるかの作戦を立てます。
[The Letter / Only a Matter of Time (Reprise) (手紙/ただ時間の問題だ(リプライズ))]
ダンスパーティーおよび未来へ帰る作戦実行の夜。
マーティーはドクに、彼が放射能に汚染されてしまうことを伝えようとしますが、ドクは「運命を変えてはならない」と聞く耳を持ちません。
ドクの命を守るため、仕方なくマーティーは彼に手紙を書きます。
そして、帰るべき未来やジェニファーを思い、今晩の作戦に向けて心の準備をします。
[Deep Divin' (深く潜って)]
高校のダンスパーティー。
招かれたバンドがこの曲を演奏しています。
ちなみにバンドのボーカル、マーヴィン役はゴールディー役と同一人物。ほんと、大事なポジションです!
[Earth Angel (Will You Be Mine) (地上の天使(私のものになって))]
ジョージがマーティーからロレインを奪う、という計画だったはずが、思わぬところでビフが乱入。
マーティーはゴミ箱に閉じ込められてしまいます。
大ピンチのジョージ。
しかし、マーティーに出会って勇気づけられたジョージは、ついにビフからロレインを救うことに成功。めでたし。ロレインも急にジョージに夢中に(笑)
マーティーは通りかかったバンドメンバーに助けてもらいますが、その時にボーカルのマーヴィンが指をケガしてしまい、代わりにマーティーが急遽ギターを弾くことに。
マーティーのボーカルをバックに、ジョージとロレインが踊ります。
よかったねぇ…。
[Johnny B. Goode (ジョニービーグッド)]
めでたく両親が結ばれ、バンドのサポートも大成功。
調子に乗った、マーティーがこの曲を弾き狂うシーンも映画では有名ですね。
盛り上がります。
こちらは2022年オリヴィエ賞でのパフォーマンス。
「Only a Matter of Time」に始まり、「Deep Divin'」「Johnny B. Goode」と続きます!
[The Clocktower / For the Dreamers (Reprise) (時計台/夢見る者へ)]
計画通り時計台に落ちる雷の電力を利用して未来へ帰るはずが、ここで思わぬアクシデントが…!
しかも、ドクはマーティーがせっかく書いた手紙を破いて捨ててしまいます…。
緊迫のシーンですが、再現度がすごい!
そしてそんな中にもドクの言動にユーモアが散りばめられているので、お楽しみに(笑)
※以下からネタバレ注意です!演出については触れていませんが、映画と若干異なる結末までは知りたくないという方は【キャストまとめ】までスキップしてください!
[The Power of Love (パワーオブラブ)]
無事に未来に帰ることができたマーティー。
後から手紙を回収して読んでくれていたドクも無事で、彼はそのまま未来へ。
疲れて眠り、翌朝目覚めたマーティーの前で始まったのは、壊れた時計台の修復完了記念セレモニー。
そこで堂々とスピーチをするジョージは、なんと有名なSF小説作家になっていました!
最新小説のタイトルは『バックトゥザフューチャー カルバン・クラインの冒険4』(笑)
第一作目から三作目までは、ハリウッド映画にもなったらしい(笑)
ヒルバレーや時計台の修復にも貢献するほどのお金持ちになっていました。
ジェニファーが紹介してくれたプロデューサーの叔父さんも現れ、マーティーが自らのバンドとしてこの曲を披露します。
[Doc Returns / Finale (ドクの帰還/フィナーレ)]
マーティーが歌っている最中、未来から戻って来たドクが改良されたデロリアンで登場。
一緒に未来に来るように告げます。
その未来とはいったい何年かというと…?
[Back in Time (過去に戻る)]
ストーリー終了後の楽しいフィナーレ。
ロックが鍵を握っている作品なので、最後の最後まで最高に楽しいですよ!
以上、楽曲とストーリーのまとめでした!
【キャストについて(2023年~2024年6月時点)】
私は今のところ毎回こちらのキャスト陣です。四季版キャスト予想に役立ててください。(笑)
マーティ―
ベン・ジョイスさん
ジャージーボーイズのフランキー役でウェストエンドデビューし、これが二作目の出演らしい。絶対若い!
フランキー役ということからわかるように、気持ちよく突き刺さる高音がかっこいい!ロックが似合う!
やんちゃなアメリカ人っぽい顔でとっても合ってますね。
運動神経良さそう。80年代のアメリカ人っぽいあの動き、研究されてるんだろうな…。
歌もダンスもめちゃくちゃマーティーですごくいいです!!
ウェストエンドライブ2024に出演されているのは、オルタナティブのエリオット・エヴァンスさんです。
ドク
コーリー・イングリッシュさん。イングリッシュさんだけどアメリカ人らしい。
もうね、目がいっちゃってるんですよ、いい意味で!めちゃめちゃマッドサイエンティスト!しかもとってもかわいい。
動きも早口な台詞回しも、コメディセンスが最高。
お尻フリフリ、ノリノリで踊る度に客席は大盛り上がりです!
ウェストエンドライブ2024にも出演されている方です!
ロレイン
サラ・ゴギンさん。
もうめーっちゃ可愛い。めーっちゃ可愛い。可愛いのに結構だらしない感じが面白い。
いわゆる古いハリウッド映画のヒロイン!って感じですね!
常に高い声で「Marty❤❤❤」って言ってるのがたまらん(笑)
イギリスで観ると余計に「マーティー」よりも「マーリィー」っていう感じのアメリカ式発音に違和感があって、ハリウッド感増し増しに聞こえて可愛いです(笑)
ディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』のシャーロットみたいって言ったら伝わりますね?(笑)
ジョージ
オリヴァー・ニコラスさん。
ぴったりはまりすぎ!!まったくもう~って言いながら応援せざるを得ないような。
見た目はもちろん、おどおどした喋り方や、関節が曲がらない独特の動きが最高です。
ゴールディー
ジェイ・ペリーさん。
激歌うま、ダンスうま、パフォーマンスうま。
一瞬でこの人の舞台にしていくスター性。
素晴らしい!
ジェニファー
ソフィー・ナグリックさん。
映画そのままの謎のピンクのジャケットがお似合い。
歌めちゃめちゃうまいです!
マーティーを勇気づける役どころというせいもあってか、どこかお姉さん感があります。
ビフ
悪いけどどこか憎めない感じがいいですね(笑)
その他役名が付いているのは、
- ストリックランド校長
- 兄のデイブ
- 姉のリンダ
加えてビフの子分が二人です!
【おわりに】
正直に言うと、観る前は
なんで今更あんな有名映画を… とか
どうせ新規観客開拓のためでしょ? とか思っていました。
でも実際見てみたら、ミュージカル化する意義が強く感じられる作品でした!
- 一瞬も飽きないエンターテインメント性がある。
- 音楽とダンスは時代の変化を表現するのにもってこいである。
- 演出、舞台装置が大がかり。でもそれに頼り切っている感じはしない。
- 「未来」「時間」「運命」「夢」をキーワードに物語が深まっている。
- 「夢」をキーワードに、マーティー、ドク、ジョージのキャラクターが深まっている。(そしてゴールディーの存在が鍵!!!)
- そしてもちろん映画を観ていなくても楽しめる。
- 映画が大好きならもちろん楽しめる。
大がかりな舞台装置、「夢」というテーマを考えると、日本で劇団四季が上演するのは必然かつ、期待が高まりすぎます!
そして、時計台というシンボルも上手く使われているようにも感じますね。
「stuck in time(時間が止まってしまった)、という表現がよく登場しますが、それはマクフライ家や、登場人物たちの夢や希望にも当てはめられること。
「過去と未来を行き来する」という単なるSF的タイムトラベルには収まらない、登場人物の人生や、観客の人生にも置き換えられる「時間」という概念の捉え方も呈示されている気がします。
「過去・未来」「1955年・1985年」という点と点ではなく、そこを結んだ線である時間軸。
その線の上を、どう生きるか。時間を、どう使うか。
そういった意味でも、映画ではスパイス的な要素でしかなかったゴールディーの存在が非常に大事なんですよね。
彼は、躍動する主要人物たちの傍ら、30年という「時間」を「未来」に向かって走り続け、「運命」に逆らい、「夢」を叶えた人ですから。
深めれば深まる、傑作だと思います。
三度目の観劇での気づき。
ドクとマーティーのやり取りはアドリブが多いです!
台詞そのものというよりは、テンポとか、何度も顔を見合わせたりするフィジカルなやりとりのタイミングなどですね。
まさに『アラジン』におけるアラジンとジーニ―のやり取りをイメージして頂ければ!
今回、模型を使ったタイムマシンの実験シーンで、ミニカーが上手く走らないというトラブルが二度続いたのですが、そんな時もドクは「大丈夫だマーティー。落ち着け。時間はたっぷりあるぞ!」と絶妙なテンポ感で乗り越えていました!
いいもの見た。
まとめが長くなりましたが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
また観劇すると思うので、新しい発見があったらまた追記しますね!